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【ハイキュー】 poco a poco (ポコ ア ポコ)

第5章 彼女について、もう少し詳しく


「1年の球技大会で、あいつバレーになったんだよ。
ヘッタクソのくせにさ。
それまで俺がどんだけ誘ってもやらなかったのに。
大丈夫かって心配もした。

そしたら案の定、あいつのチーム負けたみたいで。
詳しくは分からないけど、あいつ相当ミスしたんじゃないかな。

そんで、そのあと体育館裏でさ、みーが女子数人に囲まれてるの見ちゃったんだよ。
誰だったのか、全然覚えてないけど。
とにかく、あ、これちょっとやばそうって雰囲気だったわけ。

会話なんて聞こえないし、聞きたくもないし。
だから俺、何も知らないふりして
『あれ?おかしいなー。うちの担任どこにもいないんだけど、見てない?』
なんて、下手な芝居して近づいて行ったら、明らかに慌てた様子で
『さあ?見てないな』
って口々に言いながら体育館に戻って行ったから、取り残されたみーに俺なんて声かけたらいいか分からなくて
『みーは、見てない?うちの先生』
って、苦し紛れに聞いたら
『みてない』
って。俺、その時のあいつの顔、今でも忘れられないんだよ。
今にも泣き出しそうで、必死に我慢してるような。

次の日から、学校で俺もっとみーのそばにいようって思ったんだけど。その時にはもうかなり深刻だったんだと思う。」

一息に菅原が話し終えて、しばらく誰も声が出なかった。

「私、その試合見てた。たぶん。」

「え!?」

清水の意外な言葉に、3人が詰め寄る。
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