【ハイキュー】 poco a poco (ポコ ア ポコ)
第4章 彼女について
「清水と大地は知ってると思うけど。俺のクラスに立花美和っていう不登校の生徒がいて、そいつは俺の幼馴染なんだ。
これまではぎりぎりの出席日数と、定期テストで点数とることで進学クラスのまま来られたけど、今年は受験もあるし、このままじゃよくないってことで。
あいつが学校に来るときは俺が一緒に登下校してるんだ。
だから、時々部活早く上がらせてもらってる。迷惑かけといてこんなこと言えないけど、少しだけ覚えといてくれると助かる。」
突然の告白に、全員がなんて声をかけたらいいのか分からなくなる。
「ど、どうして!?どうして学校来れなくなったんですか立花先輩。あんなに元気だし、楽しそうに笑ってたし、勉強だってよくできて、俺なんかよりよっぽど・・・」
日向が訴えるように声を上げる。
「俺にもよくわかんないんだよ。どうしてなんだろうな。でも、お前たちといたときあいつ楽しそうだったからさ。ありがとな。日向。影山も。」
菅原は困ったように笑いながら、もう一度ありがとうと言った。
「そういう訳だから、これからもし菅原が少し先に帰ることがあっても心配するな。みんなはいつも通りで大丈夫だ。」
澤村の一言で、みんなの動揺は収まっていく。
「あと田中、もし何か見かけても、スガが女子と歩いてたとかバカみたいに騒いだり変な噂立てるんじゃないぞ。分かったな。」
「え!やだなぁ大地さん!俺がそんなことするわけないじゃないっすか。」
「田中さんが大丈夫なら、もう何も心配ないですね。」
「間違いないな」
月島と縁下につっこまれて田中は口を噤む。
みんなは和やかな雰囲気でそれぞれの家路についた。