第4章 嫉妬は甘い蜜?
耳元に息がかかる。
そのままぐるっと向きを変え、押し倒される形になった。
「が楽しませてくれるなら仕事してもいーよ」
目が笑ってない。いや、笑ってるけど。
「はいはい、仕事しましょうね?」
私はすかさずポケットから猫じゃらしを取り出すと、神威の首元にあてた。
「っ!!それ……」
神威はくすぐられるのに弱い。だから私が地球から持ってきた猫じゃらしが大嫌いらしい。
やっぱり持ってて良かった。
そう思った時、扉が叩かれ返事をする間も無いまま開かれた。
「団長、これ確認してくれるか……って何してんの?」
「げっ阿伏兎、ちょ、どけアホ毛」
事故(?)とは言えさすがにこの体勢はまずい、誤解を招く。そう思い神威に退くよう言ってもこのアホ毛はビクとも動かない。
「……団長、あんたに何しようとした」
「何って……むしろ俺がされてる方だよ。見てよこのフサフサ」
さすがのこいつも阿伏兎の声色を感じ取ってか素直に私の上から離れた。
何事も無かったように自分の机に戻る。
「で?この書類に目通せばいいの?は?用があって来たんでしょ」
「あ、うん。こっちの書類にサインお願い。終わったら私の部屋に届けてくれる?」
机の上に阿伏兎の分も書類を置くとそそくさとその場から退散した。