第2章 貴女に愛が届くまで
もしこれがアールだったらとアリシアは思う。
二人で五日間でイノセンスを見つけ、お祭りを楽しむ余裕があるだろう。こんなにストレスを溜めこむこともなかったはずだ。何度も教団に連絡してるというのに彼とまだ連絡がつかない。どうしているだろうか。
体がだんだんと重くなるように感じる。上手くいかない苛立ちと不安ばかりが体の中でうずまいて身動きが出来なくなりそうだった。
積もっていく不安を振り払うように首を振る。考えても仕方がない。まだやれることはあるはずだ。弱気になっていては何もできない。
アリシアはソーセージにかぶりつき、パンをちぎって口に放り込む。
――ともかくイノセンス見つけましょう!
アリシアは頭の中でもう一度情報を整理しながら残りを食べていった。