第2章 貴女に愛が届くまで
客観的に見れないのでわからないが、どうやらコムイも同じようなことを言っていたのでそう見えるようだ。
アリシアはうなり声を上げる。その声にリーバーが笑う。
「そういえば、要件は何だ? 謝るためにか?」
アリシアははっとする要件は別だったのだ。
「アールって今本部にいます?」
リーバーは口ごもる。
「あー、あいつは今いないんだ」
「……そうですか」
いくらか落胆して声音が低くなる。リーバーは優しく諭すように言う。
「帰ってきたら連絡あったって伝えとく」
「はい、ありがとうございます。……では」
「おう、またな」
アリシアは力なく電話を切った。リーバーも何か隠しているように感じる。何かあるのだろうか。そういえば最近会うことすらできていない。考えていると急に不安になってくる。でも、彼と連絡する手段はないのだ。
周りは楽しそうに酒を飲み交わしている。賑やかな喧騒の中、ひとりぼっちで電話の前に立ち尽くす自分がひどく孤独に感じた。