第1章 はじまり
状況を見ると泣きながらコムイは銃を乱射している。コムイ特製のため装弾数もわからない。それに弾切れを期待しても、さらに凶悪な武器が出てくるかもしれない。
仕方なく、アリシアは立ち上がる。射線を読みながらゆっくりとコムイへと近づいていく。時々射線が重なりそうになったらひょいとよけて、コムイのもとにたどり着いた。そして思いっきり頬を殴りつける。
動きが止まったその瞬間にアリシアはコムイの耳を引っ張りつぶやく。
「大丈夫です、リナリーは誰とも結婚しませんよ」
するとコムイの表情がみるみるうちに平静になっていく。
「やっと話が進められそうですね、まったく」
「誰のせいだ」
リーバーは恨み言を吐きつつ、大きなため息をついた。