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音符のみつけ方

第9章 フィアーキング


少し前まで、この2人が音楽に縋りついてる感じがしてた。でも最近は自然体で楽しんでくれてる気がして。

トキヤの時もそうだったけど、私はみんなの過去は知らない。
誰かの過去を聞いてそれを背負えるほど私も余裕は無いし・・・。



私は、みんなの仮パートナー。
それだけだって、割り切ってた。






「・・・・・・エレ、今日は・・・」

『レンの財閥も、真斗の財閥みたいな家なの?』

「・・・!
・・・・・・まあ、あながち間違ってはいないよ」

『・・・そっか。
・・・期間限定の、音楽活動か・・・』

「・・・・・・聖川の事、気になるかい?」

『・・・うん。
気になるけど、部外者の私が口を挟んじゃダメなんだと思う。・・・その人の問題は、その人がケジメをつけないと』






帰りの車の中。
真斗は先に藤川さんと一緒に帰って行った。

レンと一緒の車の中で、私がそう答えればレンは「・・・そうだね」とだけ呟いた。


・・・そう言う私も、現に人の事を言えない立場なんだけど。
なんか、こう・・・モヤモヤ?する。
あれ、私ってなんでこんなにむしゃくしゃしてるの?

・・・うーん、なんでだろ。






『・・・私は、仮パートナーのみんなが何を思って早乙女学園に居るのかは知らないけどさ。みんなには、音楽を楽しんで欲しいな』

「・・・・・・。・・・エレ」

『、ん?』

「・・・エレが歌姫って呼ばれてるのは知ってるよね?」

『・・・あー、うん。
なんか、呼ばれてるみたいだね。不本意ながら』

「・・・・・・二つの財閥でも、結構エレの歌に感動したみたいでね。エレのその才能を好評価しているらしいんだ。

今日も、本来ならオレ達はエレにどっちかの財閥で雇われてみないか言うつもりだったんだ」

『・・・・・・え、何それ初耳』

「ふふ・・・まあ、今初めて言ったんだからね。
・・・でも、それだけエレの歌には魅力があるんだ。
だから・・・・・・その歌は、聖川の財閥にも届くんじゃないかな?」

『・・・私の歌が??』

「な、ジョージ?」

「ここで俺に振るのか・・・。
・・・まあ、ただのシンガーソングライターにしとくには惜しい人材だ」






・・・私の歌が届く、か・・・。





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