• テキストサイズ

音符のみつけ方

第9章 フィアーキング


side レン


エレを寮の前で降ろして、オレは引き続きジョージの運転で実家に向かっていた。




「・・・楽しそうだな、レン」

「・・・唐突だな。
まあ、確かにエレと一日一緒に居られたんだ・・・楽しかったよ」

「安心したよ、いつものデートよりお前が自然に笑えてたみたいだしな」

「!・・・・・・はは、鋭いな」

「惚れたか?」

「想像に任せるよ」




・・・まったく、昔から変に鋭い。

聖川には宣戦布告みたいなマネしたけど・・・正直、驚くほどにエレを前にするとオレは行動に移りやすいらしい。今日だって、本当はキスをするつもりだった。
でもエレが無防備すぎたからなのか、出来なかった。
・・・いや、違うか。




「・・・ジョージ。
オレは恋愛対象に見られにくいのか?」

「、っぷ・・・!
なんだ、いきなり・・・っくく・・・!」

「笑うなよ・・・そんなにおかしいか?」

「く、ははっ・・・!
そりゃお前・・・いつも恋愛に関してなら誰かに相談なんてしないで女子をエスコートしてるお前が、俺に相談って・・・!」

「・・・あんまり笑ってると事故るぞ?」




まったく・・・失礼な執事が居たもんだ。
でもまあ・・・確かにジョージの言う通りだ。
オレが恋愛に関して誰かに相談する・・・なんて、今まで無かった。・・・それほどオレは困っているらしい。




「だが、まあ・・・解らんでもないな。
ああ言う手のタイプはそうそう落ちない。色気より音楽、と言った感じだからな」

「エレは何よりも音楽一筋だからな・・・ああ言うレディは初めてだよ」

「さすがの神宮寺レンもお手上げか?」

「まさか。
・・・ある意味、その逆だよ」

「・・・っくく、本気のようだな・・・」

「ああ・・・オレが思っていたより、な」




今の今まで、レディに困った事なんてなかった。
困らせる事は何度もあったけど、困らされた事は1度も。
大抵のレディなら、オレが愛の言葉を囁くだけで顔を染めてくれる。・・・まあ、それはそれで可愛いんだけどね。

この学園に入っても、それは変わらなかった。
それがオレにとっての日常になっていたし、普通だったから。

・・・そんな中で、エレはオレの日常を裏切ってくれた。もちろん、いい意味でね。



さあ、どうやって振り向かせようかな・・・。
/ 196ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp