第8章 スイッチシンガー
side セシル
今日は、楽しみにしていた皆でオデカケする日です。
予定では女装したコノハ達とワタシ達Sクラスが街を歩いて、ハヤトとお忍び出会うケイカクです!
そして今は女装のオトヤ達のお披露目をしているところです。
「ふむ・・・女子の服装は奥が深いな」
「うーん、なんかウィッグって慣れないや」
「なんだかいつもと違う格好で、楽しいですね〜♪」
「・・・まあ、元がイケメンだしね。
ある意味似合ってるわよ、あんたら」
一足先に女装し終わったオトヤ達が、お披露目しています。
三人ともどこか違和感を感じますが、女の子に見えなくないです。・・・コノハはまだでしょうか?
オシャレしたコノハを見るのを、とても楽しみにしていたので待ちきれないです。
皆で待っていると、少ししてバタバタと賑やかな音が聞こえてきました。
「・・・騒々しいですね。
隣から聞こえてくるようですが・・・」
「確か、レディが林檎さんにメイクしてもらっているはずだね。何かあったのかな・・・?」
「・・・てか、なんかこっちに向かってねーか?」
・・・ガラッ!!
「はあ、はあ・・・っ。・・・ふふふふ、みんなお待たせ。
お待ちかねの・・・このちゃん、準備完了よ!
さ、ほら来なさいなッ」
『っ、ちょっと待って本当にまだ心の準備って言うか平常心保ててないんですってば!!』
「大丈夫、大丈夫!
私から見ても今すぐ襲って食べちゃいたいくらいなんだから安心しなさい!」
『いや、だからそれはそれで不安要素しか無いんですけど・・・!』
「まったく・・・はあっ!!」
『、っっぅっわっ!?』
ぐいっ!
一体どうしたのでしょう。
リンゴとコノハが何やら言い合っています・・・。
でもリンゴがいつもより男らしい声を上げて誰かを引っ張りました。
・・・意外にチカラモチで驚きました。
「ふふふふふ・・・っ!
さあ、これがこのちゃんのプリンセスVer.よ!!」
「「・・・・・・、っな・・・!!??」」
・・・ワタシ達の目の前にリンゴが連れて来たのは、完璧にドレスコーデとメイクアップされたコノハでした。