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音符のみつけ方

第1章 ニューゲーム


昼休み。


早乙女学園の食堂はどうも混むらしい。
混むって言うか…これはもうそこら辺にある店より美味しいんじゃないだろうか。さすがは早乙女学園長。

食堂の味も抜け目無いとか。


ガヤガヤと賑わう食堂の中、私は焼きそばパンとジュースを手に教室に向かっていた。



その道中で、中庭に見知った顔が見えた気がした。





「…まったく、………。…?」

『あ』

「……貴女でしたか。
何か私に用でも?」

『いや、食堂混みすぎて教室で食べようかと思って。その途中』

「…そうですか」

『うん。
…一ノ瀬君は何を?』





少し気になって、聞いてみた。





「…楽譜を探しているだけです」

『楽譜?』

「先程不注意で風に吹かれてしまいましたので」

『ふーん……。…?
それってもしかして、木に引っかかってるやつじゃない?』





ふと木の枝に引っかかってる白い紙が見えて、そうじゃないかなーと言ってみた。

案の定、それは一ノ瀬君が探してた楽譜みたいで。





「………まさか上にあるとは…盲点でしたね。ありがとうございます」

『ん、いいよ。
じゃ、放課後ね』

「……、ええ」





別段用事も無かったしそのまま教室に向かった。

別れ際に一ノ瀬君がなにか言いかけた気がするけど結局何も言われなかった。


教室に着くと、もういくつかグループが出来てた。
…ってまあ三日経ってるんだからこれが普通か。



かく言う私はそういうグループには興味も湧かず、自分の席に座って普通に買った焼きそばパンを食べた。
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