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音符のみつけ方

第1章 ニューゲーム


放課後。


私は一ノ瀬君に連れられて第3レコーディングルームに向かっていた。





『…。なんかやけに女子が顔赤らめてるけど、なんで?』

「…いつもの事ですよ」

『というと?』

「……大方、私と兄が似ているからでしょう」

『お兄さん?』

「ええ、あれとは双子ですから顔が似ている事が原因でしょうね」

『へー、一ノ瀬君双子だったんだ』

「………貴女も名前くらいは知っているでしょう、HAYATOと言うアイドルですよ」

『はやと?』

「ええ」

『いや知らないけど』

「……………は?」





何言ってんのこいつみたいな目で見てくる一ノ瀬君。

え、なに。
知ってるのが当然なの?





「……知らないのですか?」

『うん。
そんなに人気なの?』

「…朝のおはやっほーニュースとか言う番組でかなりの視聴率だと言っていましたが」

『へえ、そーなんだ』

「………本当に…知らない、のですか?」

『うん』





また聞かれた。
あれか、そこまで信じられないのか一ノ瀬君よ。





「お、待ってたぜ東椰!」

『あ。日向先生』

「……………では、私はこれで…」

『あ、うん。
ありがとう一ノ瀬君』

「…なんかあいつ落ち込んでねーか?」

『彼なりのカルチャーショックかと』

「?…まあいいか。
さ、入ってくれ」





心なしか落ち込む一ノ瀬君。第2レコーディングルームへと入っていくのを見送って、私は日向先生と一緒に第3レコーディングルームに入っていった。





「あら、この子が噂の子?
…ボーイッシュだけど磨けば光りそうね」

『……?
えっと…』

「あー、こいつは隣のAクラス担当してる奴だ」

「月宮林檎よ。よろしくね、このちゃん!」

「言っとくけどこいつはこう見えてれっきとした男だからな」

『…そうなんですか、普通に可愛くてビックリです』

「まぁ!
全然いい子じゃないっ」

「あー…わかったから落ち着け。
じゃあ早速だが、歌ってくれるか?」

『はーい』





月宮先生に「がんばって!」とエールを送られて私は録音ブースに入って行った。
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