第5章 スマホアプリ
『・・・そうだなあ、2人とも知り合ってからそんなに経ってないけどいい人だと思うよ』
「ふむふむ、それで?」
『聖川くんはどこか抜けてるけどやる事真面目だし、誰に対しても丁寧な接し方してるし。ピアノの腕も中々のものだよ。なんて言うんだろ・・・見た目はクール、中身は見えない炎を持ってる感じかな』
「み、見えない炎・・・ですか」
『飽くまで私から見れば、だよ』
「それじゃ、神宮寺さんは?」
『神宮寺くんは飄々としながらも負けず嫌いかな。誰よりも周りに気を配ってるし、女子にはもちろんだけど男子にも割と優しいみたいだし。サックスの才能もかなりあるよ。やればできる子って言うやつ』
「なるほど・・・心羽からはそう見えてるのね」
『あ、でも・・・。
・・・なんとなくだけど、二人とも音楽に必死にしがみついてる気がする』
「・・・しがみ、ついてる・・・?」
『うん、でも私としてはいい友達だと思ってるよ。
ちなみに渋谷さんが期待してるであろう恋愛感情は芽生えてないよ』
「あら、そうなの?
二人とも格好いいのに。ね、春歌?」
「、はい。
お二人とも学校でとても人気ですし、私も格好いいと思います」
『それを言ったらあの6人全員人気あるよ。
・・・・・・あ、そう言えば聞きたかったんだけど・・・』
ガラッ
「ただいまーっ」
「あっ、おとやん」
「お帰りなさい、一十木くん。それにみなさんも」
頼まれていた仕事も終わったらしく、話していた6人が戻って来た。
「あーっ、女の子達でお喋りしてたんですね?
僕も混ぜてくださーいっ」
むぎゅっ
『うん、何故にいつも迷わず私にハグするのかな四ノ宮くん』
「えー、だめですか?」
『だめじゃないけど・・・。・・・まあいいや』
「ふふふ・・・レディは優しいね。
ところで、何を話していたんだい?」
「あ、そうだ。
心羽、さっき何か言いかけてたわよね?」
四ノ宮くんに後ろからハグされながら、渋谷さんにさっき言いかけた事を再度聞かれる。
うーん、まあ丁度本人も来たしいっか。
『あのさ、は・・・はや・・・・・・ハヤト?ってどんな人?』
一瞬一ノ瀬くんがピクッと反応する。
・・・あれ、タブーな質問?