第4章 パートナーデイズ
「今日はありがとうございました。
なんだかとっても、楽しかったです」
『ん、私も久々に癒されたよ。
また明日ねー』
放課後もあっという間に終わり、私は四ノ宮くんと寮の前で別れた。
よくよく考えれば他人に曲を作るなんて何年ぶりなんだろ。・・・・・・あー・・・そっか、5年ぶりか。
あれから5年も経ってるんだよね。そりゃ新鮮なわけだよ。
「・・・にゃー」
と、考え事をしているとどこからともなくネコの鳴き声が。
そのついでに今にも降ってやんよ!と言わんばかりの曇天。・・・うわ、これ降るフラグだ。
どこか雨宿りできる所に居るならいいけど・・・。
ちょっと気になるから探してみる。
門限は無くてもさすがに遅くまで起きてる元気ないし。
何処だろ、とキョロキョロ辺りを見回す。
『うーん・・・何処だ?
おーい、にゃんこー?』
「・・・・・・ぅにゃー」
『っと、近いな。
あっちかな?』
鳴き声はどうやら寮近くの森からのようで。
私は怖がらせないようにそっと探した。
声の主はすぐに見つけた。
木の下に黒い猫。
『お、見つけた。
・・・こんな所でどうしたー?』
「にゃあ、・・・」
『迷子・・・だよね、早乙女学園長の事だしアリの子一匹入れそうに無いし』←偏見
「・・・にゃ」
『・・・って、ちょ・・・大丈夫?[ポツ・・・]
・・・げ、』
ザァ・・・ッ
見つけたはいいけどどうするか迷っていた時だった。
黒猫は元気無く項垂れるし、降るフラグ立ってた雨が降ってきた。しかも急に本降り。通り雨とか狐の嫁入りかな。・・・あれ、同じ意味か。
なんてこったい。・・・なんてこったい。(二回目)
私は『・・・よしっ』と気合いを入れてブレザーを脱いで黒猫を抱き上げてブレザーで包んであげた。そして寮まで走る。
パシャパシャっ
『うあー、もうっ』
寮まで一気に走って、パタパタと自分の部屋へと駆け込んだ。
ブレザーにくるんだ黒猫はこころなしかぐったりして・・・ってこれ体温低い!