第4章 パートナーデイズ
side 那月
『・・・・・・四ノ宮くん、それ1つ貰っていい?』
「・・・えっ」
『いただきまーす』
ひょい、ぱくっ
本当にびっくりしました。
だって、心羽ちゃんが僕の作ったクッキーを食べてくれたから。
僕の趣味は料理なんですけど、僕の作った料理を食べた人は倒れちゃうんです。
きっと胃がびっくりしちゃうんですね。
もふんぱふんと可愛い音を立てて食べる心羽ちゃん。
噛み終わって、そのまま飲み込んでくれました。
『ゴクン)・・・んー、うん。
ごちそうさまでした』
「・・・・・・っ!
美智子ちゃん・・・?」
『ほら、せっかく作ってくれたんだし。
一口も手をつけないってのもアレだしね』
「身体は・・・大丈夫なんですか?
いつも僕の料理を食べたら、みんな胃がびっくりして横になっちゃうんですよ?」
『うん、平気。
ちなみに私の好きな味はプレーンとチョコレートだよ』
「!
解りました、じゃあまた今度作って持って来ますねっ♪」
リクエストまでしてくれました。
それから僕達は課題曲の打ち合わせを始めました。
今回から課題曲の提出期限は2ヶ月後だそうです。
2ヶ月と言っても心羽ちゃんは仮パートナーが僕の他にも5人も居るので、時間は全然少ないです。
でも早乙女せんせぇが課題曲のテーマに沿っていれば好きなだけアレンジしていいって言ってました。
『えーと、テーマがなりたい自分、だったよね。
ちなみに四ノ宮くんって、何をしてる時がテンション上がる?』
「テンションですか?
そうですねぇ・・・ピヨちゃんです!」
『ぴよちゃん?
・・・もしかしてさっき小箱に描かれてたヒヨコの?』
「はい!
とっても可愛いんですよ。学校の寮にピヨちゃんのおっきなぬいぐるみを持ってきてるですけど、それをむぎゅーってすると元気になれるんですっ」
『ほうほう、じゃあさ・・・・・・』
・・・不思議です。
心羽ちゃん、僕とおしゃべりしながらなのに五線譜シートに音符を書いていってます。
あ、でも僕はおしゃべりするの好きですしとっても楽しいです。
楽しい時間はあっという間に過ぎて、放課後はすぐに終わっちゃいました。
・・・ふふっ、やっぱり心羽ちゃんはパンダさんです。