第18章 スクールフェスティバル
「・・・・・・さて、それでは一度それぞれの担当するポジションを確認しておきましょう」
「オッケー!
呼び込みならボクに任せてにゃ!」
「馬鹿ですか。
貴方は午前にリポート、午後からはミニライブがあるでしょう。
・・・氷室さんから私の方にまで連絡がきてますよ」
「ええっ!?
・・・・・・わー、本当だ。後30分後に始めるってメッセージ届いてるにゃー。
うーん、コノハちゃんやみんなと一緒にひと稼ぎしたかったけど・・・残念!
みんな頑張ってねー!」
ぶんぶんと手を振って教室を出て行くハヤト。
・・・手伝う気満々だったのか。
ハヤトを見送ってから、私達が出店する店のメニュー表を見た。
メニュー表は3つ折りになっていて、表紙を開くとフードメニュー・ドリンクメニュー・店員一覧がある。
背表紙と中表紙には音也のおんぷくんと那月のピヨちゃん、そしてトキヤ画伯のペンギンがででん!と描かれている。
『・・・えーっと・・・それじゃ気を取り直して、持ち場の確認しよっか』
「ええ。
・・・まず、午前中はホールが七海さんと渋谷さん。キッチンが四ノ宮さんと砂月、レン。呼び込みが音也と翔。レジが聖川さん。残りの心羽、愛島さんと私がホールとキッチン両方にヘルプに回ります」
「でも、指名が入ったら呼ばれたテーブルに対応するんだよね?」
「ええ、その通りですが・・・調理中や他のお客に対応していて手が離せない場合は、少々待ってもらうか別の人へと指名を入れてもらってください」
「しつもーん。
もし、必要以上に接客をお願いされたりボディタッチしてきたりした場合はどうすれば?」
「そうですね・・・。そのような事態にならないのが一番ですが・・・なってしまった時は、毅然とした態度で対処してください」
『ふむふむ・・・。
・・・で、メニューで気になったんだけど・・・食べ物とか飲み物の下の枠に書かれてるsweetとbitterってのは?』
「ああ、それはオレからの提案だよ」
名乗りを上げたのは、レンだった。
・・・スウィートとビター、か。
甘いのと苦いのだからフードメニューの味つけの事かな?