第18章 スクールフェスティバル
『いやー・・・ゴメンねはるちー』
「そ、そんな・・・!
謝らないでくださいっ。心羽ちゃんは悪くないです、私がスキンシップに慣れていないだけで・・・」
「はははー・・・。
まあ、取り敢えずは心羽の接客は大丈夫なんじゃないの?
春歌にやったやつの王子様とか執事バージョンでやれば女の子から黄色い悲鳴聞ける事間違いナシよ!」
『黄色い悲鳴、ね・・・。
・・・それにしても、あれ・・・改めてみんなイケメンなんだねー』
一ノ瀬兄弟がわーわー口喧嘩なうな教室の教卓側にて。
メイド服に着替えたはるちーとともちー、執事服に着替えた私と男子達が集まっていた。
・・・教室の後ろでは似てる声の2人がやーやー言い合ってる。
いやあそれにしても、目の保養と言うかなんと言うか・・・。
学校で歌のプリンスって言われるだけあるわ。
「俺、あんまりこう言う正装?みたいなの着た事無いけど・・・なんか背筋ピンとしちゃうな」
「まあ、俺らはどっちかっつーとスポーツウェアの方がイメージあるもんな」
「オレと聖川は子供の頃からよくパーティに出てるから慣れてるって言えば慣れてるけど・・・こう言う学園祭みたいなイベントで着るのはまた一味違うね」
「うむ・・・。
それに、たまに音楽以外の娯楽を楽しむと言うのも楽しみだな。
俺にどこまで執事となれるか解らんが、せっかくなのだから客である皆を楽しませたい」
「みんなとお揃いですね。
なんだか、とってもワクワクします!
ワタシ、今日の為に頑張って接客マニュアルを読みました!」
「ふふ、毎日読んでましたもんね。
僕も今日は、美味しい紅茶を淹れてお客さんみんなににこにこになってもらえるように頑張ります〜!」
「頑張るのは勝手だが、空回りさせるなよな。
・・・まあ、出来栄えも悪くはないし那月が喜んでるんだ。俺もたまには息抜きって事で楽しむか」
うん、みんなの気合いは十分なようだ。
学園祭は今日から明後日までの三日間。
さすがにプロみたいに完璧には出来ないだろうけど・・・みんなで協力すればきっと上手くいく気がする。
・・・といつもの流れでそのまま雑談タイムになりかけた時、口喧嘩に収拾がついたらしい一ノ瀬兄弟が私達の元に合流してきた。