第18章 スクールフェスティバル
「一度きりの早乙女学園でする学園祭なんだから、せっかくなら他の喫茶店とは一味違う感じにしようと思ってね。
それで考えたんだけど・・・お客には店員の接し方も選べるって言うのはどうかな?」
『・・・店員の、接し方??』
「sweetは甘く優しい王子様、bitterはほろ苦いクールな執事。
・・・例えるなら、ついさっきエレがレディを照れさせたのがbitterでいつもの自然体がsweetって所かな」
「あ・・・あの執事バージョンの心羽ちゃんを選べるんですか・・・!?」
いち早く反応を示したのは意外にもはるちーだった。
なんとなく「お客様が羨ましいです・・・!」って言ってる気がする。心の声が。
『ふーん・・・まあもうメニューに書かれてるしね。うん、いいんじゃない?』
「ちなみに、楽しんでもらったり喜んでもらうのが目的で追加したオプションなので・・・どこかの馬鹿みたいにトドメを指すような過度な接し方はしないでくださいね」
言わずもがなその馬鹿って言うのはハヤトなんだろうなー。
きっと今頃クシャミでもしてるな。きっと。
「午後からは呼び込みとホールが交代するんですよね。ワタシ達ヘルプ係はどうするんですか?」
「店の混み具合にもよりますが・・・恐らくは呼び込みになるでしょうね」
『呼び込みかー・・・上手く宣伝出来ればいいけど』
「コノハなら、きっと大丈夫です!」
『はは、ありがとセシル』
「・・・さて、開店準備に入りましょうか。
ハヤトの話では後で我々のグループの出し物にもインタビューしに来るそうですし」
「えっ、それってもしかして・・・俺らもテレビに映るかもしれないって事か!?」
「ええ。
まあ、映るとしてもほんの短時間ですしそんなに緊張する必要は無いでしょうけど」
「いやいや、緊張するって!
うわあ・・・うまく笑えるかな〜」
『大袈裟だなー・・・別にいつもの感じで接客なり呼び込みなりすれば良いじゃん。
一大ニュース!とかで放送される訳でもないし、気を楽にすればいいでしょ』
そうは言ったものの、私も少し緊張する。
まあ、ピンポイントでガッツリインタビューされる訳じゃないし・・・。