第15章 プロミス
「まさか・・・、この間うちの学校に来たあの4人!?」
『その4人です、はい』
「う・・・っそ!?
えっ、はあ!?って事はなに・・・・・・専属作曲家が見つかったって、このちゃんの事だったの!??」
『いや、正確には検討中ですけど・・・』
「それでもやってみたいって気持ちあるんでしょ?
やってみればいいじゃないっ!」
『それは・・・まあそうなんですけど、私には仮パのみんなが居ますし・・・。それに学生ですよ?』
「どうせあの子達、このちゃんがアマでも学生でも構わないとか言ったんでしょ?」
『・・・・・・まあ、言われましたね』
「シャイニーも貴女の作った歌を売りたいって言ってたんだし、ちょうどいいんじゃない?」
どうしよう、月宮先生はもうすでにノリノリだ。
寿さん達がある意味お忍びで早乙女学園にやって来てミニライブをして、私に専属作曲家になってほしいと言われた。真面目な感じで。
その時は取り敢えず答えを保留って事にして貰って、その日は帰ってもらった。
それから十日後。
どうした事か作曲の調子が悪い。びっみょーに。仮パのみんなや日向先生はいつものように褒めてくれるんだけど、私的には納得のいく仕上がりにならない。
そんなこんなで月宮先生からの呼び出し。
薄々勘づかれてたみたいで、まさかのまさかで誰かの事を想ってるんじゃないかと言い当てられた。
今にもキャーキャー騒ぎ出しそうな月宮先生に、私は複雑な心境だった。
『・・・早乙女学園長が、なんでそこまでして私の歌を売りたいのか解らないです』
「あら、いつにも増して自信無さげね?」
『だってそうじゃないですか、私なんてパッと出のアマチュアで無名のシンガーですよ?
ずっと前にハヤトの番組に出たのだって、私があの番組に出る為に何か努力した訳でも無いのに・・・。たまたま私だけオシャレしてて、たまたまゲストさんが来れなくて・・・運が良かっただけですよ?』
「・・・・・・このちゃん・・・」
『今までだって、運が良いだけだって思ったらなんとなく・・・不安になるんですよ。
寿さん達は、私よりもずっと前から芸能界で活動してますし』
「・・・もうっ。
そこまで言うなら、貴女は運だけじゃないって事を見てみましょ!」
『・・・・・・はい??』