第15章 プロミス
歌い終わって、何も聞こえなくなったヘッドフォンを外して収録ブースに戻る。
4人の中で寿さんだけは「どうだ!」と言わんばかりの表情だ。
「・・・・・・、マジかよ・・・。
今の・・・確かにあいつの・・・・・・」
「・・・間違いないよ、声質と音域・・・それに曲調・・・・・・間違いなく彼女のものだ」
「ほらほら!
やっぱりそうだったでしょ、!?」
『・・・・・・??
あの、どうかしましたか?』
「・・・・・・ひとつ聞くが、LINKのアカウント名はGray∞Noteと設定しているのは貴様か?」
『え。そうですけど・・・。
あれっ、なんで知って・・・?』
カミュさんに聞かれて、思わずきょとんとした。
確かにアカ名は変えてないからそうだけど・・・なんで私のアカ名を知ってるんだろう。
私が答えると、寿さんが目を輝かせた。
うおう、どこか音也を彷彿とさせるアイドルスマイル・・・!
「わーい、やっと会えたっ!!
グレーちゃんだよね、やっぱりグレーちゃんだよね!」
『????』
「レイジ、ちょっとは落ち着きなよ。
・・・ボク達、キミと何度もLINKでやり取りしてる4人なんだけど解る?」
『4人・・・?
・・・・・・あ、もしかして・・・indigo、さん?』
「うん。アタリ」
『え、えっ。
じゃあ・・・弁当屋さんと、blackさんと・・・伯爵さん・・・?』
私が日頃LINKで喋ってる人達のアカ名を言うと、先輩アイドルさん達は頷いた。
・・・えええええ・・・!!
「大正解っ♪
ぼくが弁当屋の息子で、ランランがBLACKrock。ミューちゃんが氷の伯爵で・・・アイアイがindigoだよ!」
『えええ・・・って事は、私今の今まで巷で人気の方とやり取りを・・・?』
「まあ、そうなるね。
今日早乙女学園にボク達が来たのも、君を探しに来たのが目的なんだ」
「・・・正直、すぐに会えるものだと思っていたからな。会うだけで数ヶ月かかるとは思いもしなかったぞ」
『あー・・・早乙女学園長に情報の流出はしないでって頼んだの効いてるみたいですね』
まあ、日向先生は流出したけどね。
今頃くしゃみしてるだろーな、日向先生。