第15章 プロミス
ともちーから呼び出されて、私は講堂に来ていた。
だがしかし生徒の人数が凄い。どこぞのライブ会場レベルの混みようだ。
人すご・・・と思いながら地味に人混みを進んでると、私を見つけたらしいともちーが人混みをかきわけて手を振って近寄って来た。
「はー、やっと見つけたわ・・・。
悪いわね、急に呼び出しちゃって」
『別にいいよー。
・・・てか、この人混みは何事?』
「やっぱり何も聞いてないのね・・・今日、シャイニング事務所の先輩がうちの学校に来てるのよ」
『先輩?
お忍びで?』
「違うんじゃない?
今日来るって話題になったのはついさっきだし、 これから講堂でミニライブするらしいわよ?
とにかく、春歌も一緒だからこっち来てっ」
この人混みの原因はどうやら先輩アイドルさんがミニライブをするかららしい。・・・あ、て事はさっきのぐるぐるメガネのお兄さんがそうなのか。
あのお兄さんそんなに人気だったんだ・・・名前聞いとけば良かったかな。
そんなこんなでまたまた人混みをかきわけて、はるちーと無事に合流。位置的にはステージから見て右側のちょっぴり遠め。でもミニライブで使うっぽいスピーカーの確認とかをしてる日向先生の表情とか見える。
『あれ、そー言えば男子組は?』
「音也くん達はもう少し前の・・・あ、ほら。あそこに居ます」
『・・・お。本当だ。
少し前って言うか、かなりのセンター率・・・。お、誰か出て来た』
日向先生がステージ袖から出て来た水色の髪の男子にマイクを手渡す。
ザワザワしてた講堂が一気に静かになる。
・・・ちなみにみんなの事は少し前から名前呼びするようになった。いつまでも苗字呼びだと壁を感じるって言われちゃったしね。
七海さんの事ははるちー、渋谷さんの事はともちー。
「・・・こんにちわ。そして初めまして、早乙女学園のみんな。
今日はせっかくの自由日なのに、集まってくれてどうもありがとうっ!
ミニライブだから午前中で終わっちゃうけど・・・ここにいるみんなを、楽しませるように頑張るね!
トップバッターはボク、美風藍が歌うよ」
綺麗な透明感のある声でオープニングトークを披露してくれた美風さん。
愛嬌のある笑顔を浮かべて、流れてきた曲に歌声を合わせ始めた。