第13章 フラグパニック
『っふう・・・・・・砂月くん大丈夫かな・・・』
「さっちゃん、楽しそうでしたし大丈夫ですよ〜」
『こっちは全然楽しくないけどね・・・。
来栖くん、大丈夫?』
「ん・・・おねーちゃんと一緒だから、大丈夫っ!」
『・・・、やだ何この天使・・・!』
洞窟から離れて、私達はシャイニングジャンボの近くに隠れていた。
砂月くんはさっき鉢合わせした一十木くんと愛島くんの首根っこをガッ!と引っ掴んで消えてった。・・・この小説、ジャンルこんなんだっけか。
『はー・・・でも、いざとなったら来栖くんだけでも逃がさないとね』
「そうですねえ・・・でも、翔ちゃんすばしっこいから大丈夫ですよ」
『・・・うーん、それでも今の来栖くんのこの状態は・・・なんだろう、母性本能が疼く』
「?」
「っふふ、翔ちゃんてばきょとんってしてますよ~」
『うん、確かに可愛いよね。
・・・っと、そろそろ移動しよっか。レンとトキヤに鉢合わせたら嫌だし』
「はい、そうですね。
じゃあ、また僕が前になりますね」
『うん、よろしく』
あの2人は・・・うん、色気的にアブない。
来栖くんを背負って、那月くんに先頭を進んでもらう。
周りに誰も居ない事を確認してからシャイニングジャンボから離れる。
「わ、この先は崖みたいですね・・・」
『海に囲まれてたり岩に囲まれてる海岸があったり、森があったり崖があったり・・・本当に秘境の地だね』
「ふふ、なんだかワクワクしますねえ」
『那月くん、来栖くんを抱っこして跳んでくれる?
さすがに来栖くんを抱えてジャンプ出来る自信無いや』
「わかりました。翔ちゃん、こっちに」
「うん」
来栖くんを那月くんに抱っこしてもらって先に跳んでもらう。
崖って言っても、向こう側の崖まで1メートル。こけなきゃ普通に跳び越えれる距離だ。
那月くんがひょいっと跳び越えて、さて私も跳び越えよう。そう思った矢先だった。
「・・・っおねーちゃん・・・、!!」
「心羽ちゃん、後ろです逃げてください!!」
『、え・・・・・・』
ふわっ・・・
「・・・捕まえましたよ・・・心羽」
ぞわっ
いきなりの浮遊感、そしていきなりの耳元での低音エロボ。なんだか背筋が・・・あ、これが鳥肌か。