第13章 フラグパニック
『・・・・・・薬盛られたぁ!?』
「・・・ああ。
早乙女がいつもの如くやってる・・・トンデモ企画だ。このコテージ中に霧散させたんだとよ」
「早乙女せんせぇは、性格革命薬って言ってました・・・。効用は、その人の性格をフラグ的な意味で最大限に引き出すそうですよ」
『・・・えーと・・・つまり?』
「・・・・・・セシルとレンは恋愛フラグ、音也とトキヤは病みフラグ・・・そこのチビは甘えフラグ。って所だろ」
『・・・それ革命って言うの?』
「知るか。
とにかく、効力は丸1日・・・二十四時間だ。
それまで逃げ続けるぞ」
「ちなみに真斗くんとハヤトくん、ハルちゃんと友千香ちゃんはダウンしちゃってるみたいです。龍也せんせぇは、早乙女せんせぇを探しに行ってます」
『え・・・七海さん達大丈夫なの?』
「ダウンっつっても強制的に眠らされてるだけだ。
日向の話だと、薬と適合率が合わなかったからだとよ。・・・俺達に効いてないのは、性格が変わっても無意味だからだそうだ」
『・・・と言うと?』
「・・・・・・お前が適合しても面白味が無くなるだけで、那月が適合してたら俺みたいになるんだと。俺に適合したら・・・・・・・・・」
『・・・砂月くんに適合したら、?』
「・・・・・・・・・この夢小説のタグに裏とか激裏とか黒裏が追加されてお前が喘ぎ続ける事になる」
『何それ激しく嫌だ・・・!』
「・・・・・・おねーちゃん・・・」
ぎゅ・・・
『・・・あー、そーだった。
この来栖くんは・・・どう扱えば?』
さっきからずっと引っ付いて離れない来栖くんを見る。
なんか・・・寂しさを埋める為なのか全く離してくれる気配が無い。・・・・・・・・・だんだん小動物に見えてきた←
「ソイツ、置いてったら泣くぞ」
『え』
「可愛いですよね〜」
「せいぜい落とさねえように、背負うなり何なりするんだな」
『・・・えー・・・。
・・・うん、なるべく頑張るよ。てゆーか、逃げるにしてもその・・・狙われてるのって、』
「言うまでもなく、お前だろ」
『・・・デスヨネー』
「さっちゃん、そろそろみんな起きる頃です」
「・・・ったく、とんだバカンスだな」
すくっと立ち上がる砂月くん。
その顔は面倒だなーとかじゃなくて面白くなってきやがった。って顔をしてた。