第13章 フラグパニック
今の状況は、こうだ。
気配を消して現れたトキヤに、私は姫抱きされていた。どーでもいいけどなんでトキヤこんなに気配消すの上手いのさ。
「・・・もう離しませんよ・・・、また連れ去られないように・・・・・・もう一度私の印を、付けましょうか・・・」
『全力で善処したいんですけど・・・!』
「心羽ちゃん、今行きますっ!」
「させないよ」
「わあっ、!?」
『っ、来栖くん!?』
「あ・・・っ、翔ちゃんっ!」
「心羽はそっちには渡さないよ・・・。トキヤ、行って」
「ええ。・・・イ(逝)きましょうか、心羽・・・」
いや全力で生きていたいんですけど・・・!
那月くんの一瞬の隙を突いて、来栖くんがレンに捕まえられる。片腕でひょいっと。・・・来栖くんドンマイ。
いつになく涼しい表情で微笑み、トキヤはスタスタと歩き出した。
バタバタと手足をばたつかせてみるけどトキヤの涼しい顔は崩れない。くっ・・・こいつ、鍛えてる・・・!
『、っ離してトキヤ!』
「・・・どうしました?
嗚呼・・・今すぐ此処で喰べて欲しいのですか?」
『いや違うくて・・・!』
「大丈夫ですよ・・・焦らずとも、これからゆっくりと・・・私を感じさせてあげますから」
そう言いながら、トキヤは私のおでこにキスを一つ落とした。
うあああああああああ、これ心臓もたない・・・!!
那月くん達の姿が見えなくなった所で、ストンと降ろされる。
「・・・ふふ・・・怯えているのですか?
可愛いですよ・・・とても。貴女のその恐怖に怯える表情を見ると・・・加虐心がそそられます・・・・・・」
『っ・・・私、那月くん達の所帰る・・・!』
どんっ
『、!?』ビクッ)
「・・・・・・何を、言っているんですか?
貴女は私と共に生きるんです・・・ずっと。永遠に・・・・・・」
あ、これが壁ドンなんですね。壁って言うか木だけど。
なるほどこれが巷でイケメンにされる壁ドンなのか、なーるほどー。
てかマジでトキヤ怖いんだけど。
さっきから背筋がゾワゾワしっ放しだよ。
なんて投げやりに脳内ツイッターを呟いていれば、トキヤの顔がどんどん近づいてくる。