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Dye D?〈番外編 横山〉

第4章 渇き




 俺はやっと我に返った


横山「おい、大丈夫か!!!!」


ゆっくりと女を揺らしてみると


「う....う~んっ.....」


女は辛そうに声を出しただけだった

俺が血を飲み過ぎて

貧血になっているようだ


その時だったキッチンの扉が開いた


村上「おっ、お前がここに居るって

めずらしいな」


雛が俺を見ると、嬉しそうに言ったが

俺の前にいてる女を見つけると



村上「いつ狩りに行って来たんや?」


横山「ちゃう、こいつはここに居ったんや」


村上「で、食事したんか?

お前にしてはめずらしいな」


俺は口元の血を拭きながら何も言えずにいた



村上「まぁ、ええんちゃうん?

いつも仲間に遠慮してるんやから

たまには好きなように食事をしても」


そう言うと村上は目の前の女の前に

ゆっくりと腰をかがめた



村上「気を失ってるんか?」


横山「おん、俺が少し頂き過ぎたようや」


村上は女が腕から血を流しているのを

見ると不思議そうな顔をした



村上「腕から吸ったんか?

それに、これは切り傷やな....」


女の利き手にナイフが握られているのを

雛はそっと取りあげた



横山「こいつ、俺が救いが欲しい時に現れる...」



雛は俺の言葉に納得のいかない表情をした

俺はバツが悪くなり立ち上がった



村上「お前が救いね......」


横山「なんや、俺が救いを求めたらアカンのか?」


村上「いや? でも今も救いはいるやろ?」


俺は雛の言ってる意味が分からず

まだ倒れてる女の前にしゃがんでる

雛を見下ろしながら


横山「何がや?」


村上「この女をみんなに誤魔化さなアカンやろ?」


俺は雛を黙って見つめていた


村上「まず、亮が喰ってまうかもしれんし

この女はすばるの好みそうやし、

守るんは大変やで」


雛は笑いながら言った



横山「俺に喧嘩を売るつもりなら

手をだしたらええ」


俺は冷たく言い放った


村上「そりゃ、誰も手を出さんわ

それより、女をベットに運んで血を止めよう

じゃなきゃ、ほんまに死んでまうで」


横山「おん、そうやな」


俺と雛は女を客室に抱えて行った


俺の口には食した女の血の味がまだ残っていた

それは俺の心すら満たすように

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