第4章 渇き
俺は異常な渇きで目を覚ました
飛び起きると、隣の棺はまだ閉まっている
仲間は眠っているという事だ
俺だけ、喉が渇いてる
血を欲している
俺はゆらりと身体を動かすと棺の部屋から出た
時刻は昼過ぎだろ
屋敷には重いカーテンを窓にしてるから
外の明るさは分からないが
自分の身体が外に出ると死を予期している
横山「こんな時間に起きるなんてな....」
苦笑いしながら俺は、キッチンの水道の蛇口をひねる
水を飲んでも渇きは癒されはしない
そんなのは百も承知だ
だが、何もしないよりはマシだった
俺は、コップに水を取り飲んでみた
横山「.....不味っ」
この身体になってから味覚は
完全に変わってしまった
全てに味が無くなった
そう、血以外は.....
俺の手から力なくコップが落ちた
身体に力が入らず壁に身体を預けた
横山「.....もう一か月経つのか?」
俺はこの前にした食事の時を思い出していた
そして苦笑いしていた
横山「そや、身体の小柄なヤツで
俺までなかったんや
一か月半以上か....
けっこうもった方やな」
俺は苦笑いしていた
自分に襲ってくる渇きと闘いながら
その時だった人の気配がした
横山「誰や!!!!」
力の入らない身体を無理やり動かして俺は叫んだ
「言ったでしょう、貴方が救いを求めたら
会えると」
女が俺の目の前に立っていた
横山「俺がいつ救いを求めた?」
嫌味たらしっく俺は女に告げると
女はわざと聞こえない振りをして
キッチンに無造作に置かれてるナイフを手にした
横山「な、何するつもりや!!!!」
この状態の俺なら簡単に殺せる
俺は自分の命の危険性を感じて恐怖した
しかし、女は俺の目の前で躊躇なく
自分の腕を傷つけた
餓鬼状態の俺を血の匂いが狂わしていく
女は傷ついて血が流れてる腕を
俺の目の前に差し出した
俺はためらう事もなく腕にかぶりついた
甘く絶妙な味が俺の口に広がる
俺の渇きがどんどん癒されてくる
俺はどれくらい女の血を
飲みあさったのだろうか
口を真っ赤にして気が付くと
今度は青い顔をした女が目の前に
倒れていたのだった