第30章 封印
俺は鏡を見た
そこには真っ赤な口紅で文字が書かれていたのだ
いつまでも、そのままでいてください
強い君が好きです
約束の日まで待っててください
必ず探してくるからね
私の強気の吸血鬼さん
俺は、笑いながら文字を見ていた
横山「どっちが勝手やねん? この俺を待たすなんてよ」
その時だった、俺の後ろにマルが静かに立っていた
丸山「彼女がね、横山君をお願いしますって
自分が戻ってくるまで守って欲しいて
俺たちにお願いをして屋敷から出て行ったの」
横山「…そっか」
俺はマルの方に振り向かずに答えた
丸山「ホテル経営して、彼女を待ってようね」
横山「おん、死なん身体で助かったわ」
俺はそう言いながら、女の残した文字を見つめていた
俺はその部屋から離れられずに
マルと二人で言葉もなく過ごしていたのだった
女が恋しく心が痛かったから
マルは俺を心配してどちらも去る事が出来ずに
俺たちは女の残した文字を見つめていたのだった