第28章 覚悟
俺が壁の穴を抜けて、いつもみんなで過ごす部屋に戻ると
皆が一斉に俺を見た
横山「よっ!」
俺はみんなに軽く声をかけた
安田「ちょ、大丈夫やたん?」
ヤスが心配して一番に俺に駆け寄って来た
横山「大丈夫や、心配すんな」
俺はヤスの頭を軽く撫でた
村上「お疲れやな、いつもお前はさ」
雛はソファーに座ったまま、俺に向かって声を掛けたので
横山「お前の気苦労よりはマシや」
雛には嫌味で返してやると、雛は嬉しそうに笑った
渋谷「もちろん勝ったんやろうな?」
すばるは、雛の横に寝そべったまま俺に向かって言った
横山「誰に向かって言ってるんや?」
俺は冷たく返すと、直ぐに亮が
錦戸「やっとの勝ちは勝ちと言えんで?」
横山「余裕で勝ってやったわ」
俺はそう言うと、全てを知っている女の方を見ると
女は静かに微笑んでいた
真実を知っているのは俺だけでいいのだ
女もそう思っているはずだと思った
丸山「本当に無事で良かったよ」
横山「おん、心配をかけてすまんかったな」
俺はマルの頭を優しく撫でた
大倉「お疲れ様です….」
大倉はそう言うと俺に軽く頭を下げたのだ
横山「おん、全ては解決したよ」
俺は、ゆっくりと仲間がいる中心に歩いて行った
横山「俺らは、これからホテル経営をする
一か月に一人、客を選んで食す!」
仲間に動揺が走った
横山「これから幾つかルールを決めていくし
一人、一人が仕事を受け持つ事になる」
みんなは、俺の話を聞き入っていた
横山「喧嘩はいかなる理由があっても禁止や!
客には勝手な行動も禁止!
自分の仕事は人に任せるのも禁止!
後の細かい事は、これから決めてく」
俺が告げると、誰も何も言わなかった
横山「俺たち、吸血鬼はどんな時代でも生きてってやる
その覚悟をしとけよ」
俺はきつい口調で告げた
これは俺の決意でもあったのだ
この最高の仲間と共に過ごすという