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Dye D?〈番外編 横山〉

第27章 真実




俺は起こった事に疑いながら

目の前の鏡を触った時だった



《また、息子が迷惑をかけて

すまなかった....》


鏡の中で老人立っていた

俺は、その老人にゆっくりと目線を合わすと



《もう、二度と君には手をださせない》



横山「そうか....」



俺は、小さく返事をした



「お父様....」



女は、鏡の老人を見て驚いていた



《吸血鬼よ....もう一度訪ねよう》



老人はそっと手を出してきた

その手の平にはあの箱が乗っていた



《最後のチャンスだ、今のお前の願いを叶えよう》



その箱を見て俺は小さく笑った



横山「前も言ったよな

人に与えられた願なんて俺には必要ない」



《この箱を手に入れれば

娘と結ばれる事も可能だぞ》



その言葉に俺は女を見つめた

女は俺を切なそうに見ていたが

小さく微笑んだ

それが、女の答のように




横山「そんなんで手に入れた愛は、本物とちゃう」




《なるほどな....》



横山「それに、俺はもう十分に幸せや

大切なモノを俺はちゃんと持ってるしな」



俺はそう言うと、女の手をしっかりと握った



《お前に娘を任せよう....》



「お父様...」



女は鏡の中の老人に駆け寄った



《幸せになりなさい....》



その言葉を最後に老人は消えた




女は鏡に頭をつけて泣いていた

俺は後ろに立ち女に声を掛けた



横山「どうするんや?」



「.......」



女は俺の言葉に答えなかった



横山「俺は、吸血鬼なんで幸せになれんかもやで?」



「ほんとうに、意地悪な人だな」



女は涙を拭きながら言うと振り向いた



横山「俺は、こんな奴や」



俺は冷たく言い放ったのだ



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