第26章 闇
俺が気が付くと
僅かな小さい光すら見えない暗闇に俺はいた
突然、俺に恐怖が走る
俺は震える自分の顔に冷や汗が浮かぶのを感じていた
そんな俺の目の前が少しだけ明るくなり
目を細めて見ると
小さい子供が
手を後ろに縛られて目隠しされて床に倒れていたのだ
横山「これは…..」
目隠しはされていたが
泣いてるようで塞がれてる布が
涙で濡れていた
そこに男が近づいて来ると
震える子供に容赦なく暴力を振るいだしたのだ
子供が殴られる度に俺の身体にも痛みが走る
横山「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
俺は悲鳴を上げた
これは俺の忘れていた記憶だ
俺はこの男に誘拐されて
暴力を振るわれ続けて殺されそうになったのだ
光景を見ながら俺の身体から力が抜けていく
闇が怖い理由は
俺は殺されかけたからだったのか....
横山「ふっっっ」
俺は、静かに笑った
俺の隠された記憶は死の記憶に
俺はそっと子供の俺の傍に寄って行った
『このまま消えろ....
消えるなら、命までは取らない...』
どこからか声が聞こえてきた
しかし周りは闇で何も見えなかった
足もとの子供の俺は震え上がっている
『吸血鬼らしく、静かに闇で生きろ...』
声は好き勝手に話す
俺はその言葉に鼻で笑い
横山「吸血鬼は、闇で生きなあかんのか?」
その声に尋ねた
俺の問いかけには返事はない
だた無情に時間だけが過ぎる
俺は足元で震え続ける自分の頭を撫でた
横山「お前はそんなに弱くはないやろ?」
その瞬間に俺の記憶がまた蘇る
俺を助けたくれたのは...