第26章 闇
俺は、女を探して屋敷を歩いていたが
女のいる場所の検討がついていた
自分で壊した壁を通り抜け隠された部屋に
俺が入ると予想通りに
鏡の前に女は静かに立っていた
俺が入って来た事を知ると
女はゆっくりと振り向いて笑顔を見せた
横山「さっきはお前か?」
「兄があそこまでするとは....」
女は寂しそうに答えた
横山「じいさんにも会ったわ」
「えっ?」
驚いた女の横に俺も立つと
鏡は当然のように女だけを映していた
横山「まぁ、雛の女だった女と一緒にな」
「....あの猫の?」
俺は無言で鏡に映っている女を見ていると
「あの猫は、本当に特別だから....
貴方たちと同じ血が流れた猫だからね」
横山「ふっ、雛がそんな事を言ってたな」
俺の言葉に女は静かに微笑む
女を抱きしめようと
腕を伸ばしたその時だった
突然に鏡に空間が広がり
俺は何も出来ずに
すごい勢いで吸い込まれるように
鏡の中に入ってしまったのだ