第24章 罠
俺は激しい息遣いで聞くとマルの顔色が変わった
横山「俺には記憶はないが
俺のこの恐怖を助けてくれた奴の
感覚は身体が覚えているんやで」
丸山「......」
マルは俺の顔が見れないようで、辛そうに俯いた
横山「まぁ、話は後でゆっくり聞く、それより亮や!」
俺は息を整えると、立ち上がった
丸山「まさか」
横山「なんや?」
井戸の淵に立つ俺をマルが止めるように裾を持つ
丸山「なんで、そんなに恐怖しているのに?」
マルは不思議そうに俺を見る
そんなマルを俺は口の端を上げて笑って
横山「俺は吸血鬼や、たとえ自分にだって
負けっぱなしは許せんのや」
そう言うと、俺は再び井戸に飛び込んだのだ
俺の身体を先ほどのように恐怖が支配する
俺は、誰かに暴力を振るわれていたのか?
暗闇に放り込まれたのか?
俺は俺自身と闘っていた
身体を刺す痛みを和らげるモノは
俺を心配して追って来てくれているマルだった
俺たちは、直ぐに井戸の底に着いたが不思議な光景が目に入った
亮が地面に何か書かれているモノに捕まったようで
動けないようで項垂れていた
丸山「魔方陣だね」
空中に身体を浮かせたまま、マルは俺に教えた
横山「やっかいな、ネズミ取りに捕まったな」
俺は頭をかきながら言うと
俺たちに気が付いた亮が嬉しそうに上を見た