第22章 解答
部屋には、俺だけがいた
仲間は各々好きな事をしているのだろう
俺は一人で悩んでいた
その声の言っているこの物語の最初とは?
女との出会った事なのか?
それとも…..
俺たちがこの身体になった時なのか?
俺は、大きな穴が開いた壁を見つめながら考えていた
村上「なぁ、ちょっとええか?」
不意に雛が俺に声を掛けた
横山「おん、なんや?」
雛は周りを気にしながら
ゆっくりと横に座ると俺に話し出した
村上「俺の女はその、猫やったやん?」
俺は小さく頷いた
村上「それって、めっさ変やろ?」
横山「何が言いたいんや?」
村上「俺、マルの言うように神様の悪戯や
奇跡って思おうとしたけど
この屋敷には、なんか大きな秘密が
隠されている気がすんねん」
横山「なるほどな、お前はこの屋敷の何かで
女が人間になる力を獲れたって考えとるんやな」
村上「まぁ、はっきりは分からんけどさ
あの鏡を見てさ、もしかしたらって思ってな」
俺は、雛の胸を軽く叩いた
村上「お前には、永遠の別れを味わって欲しくないな….」
雛はボソッと言った
俺はその言葉に微笑んでいた
雛の優しさが嬉しかったのだ
俺は意を決意して話してみた
横山「なぁ、この物語の始まりの場所ってどこやと思う?」
村上「物語の?」
横山「そうや、物語や?」
村上「何かそいつ、めっさ詩人やな」
雛は笑いながら言った
横山「詩人か....」
俺は不思議そうに雛に聞くと雛は何度も頷いていた
丸山「物語の初めは...、
母のお腹の中から始まる...」
マルはいつから居たのか、俺らの後ろに立っていた
横山「腹の中か?」
丸山「お腹の中でも、外の音は聞こえるし
感情もあるんだって」
俺は考え始めた
安田「それて俺たちの棺桶みたいやな」
ヤスもいつの間にか後ろに立っていた
俺たちは笑顔で立っているヤスに注目した