第21章 序開
俺の言葉に、みんなに動揺が走る
安田「なんでなん?」
ヤスの言葉に
俺は無言で鏡の下のマークを指差した
大倉「羽の印....」
丸山「光の者の印だ....」
大倉とマルは印を見ると、呟くように言った
錦戸「闇の俺らには入れんって事か?」
その言葉にマルが小さく頷いた
俺はしゃがみ込みながら
悔しそうに羽の印を見つめていた
村上「横、残念やけど、ここまでや」
雛はそう言うと
俺の肩を軽く叩き
その部屋から出て行ったのだ
仲間も雛に続いて部屋から出て行く
大倉「横山くん….」
大倉は、いつまでも鏡の前で調べている俺を
心配して傍に立っていた
横山「大丈夫や、もう少しだけ考えさせてくれんか?
他に方法がないか?」
大倉「....分かった」
大倉は、そう言うと静かに部屋を出て行った
俺は、ずっと鏡を見つめていた
けっして俺たちを映す事のない鏡を
この先に俺は進めない鏡に
もう二度と女とは会えないのだろか?
俺が救いを求めたら
何事もなかったかの様に来てくれるのだろうか?
俺は小さく笑いながら鏡に背を向けた
俺は何を願っているのだろかと
その時だった
「...振り向かないで、聞いて....下さい」
横山「!!!!!」
「私はお嬢様の味方の者です....」
横山「俺に何の用や?」
俺は言葉の言う通りに振り向かずに答える
「今夜、始まりの場所へ.....いらして下さい」
横山「始まりの場所?」
「そう、この物語の始まりの場所へ....」
そう言葉は言うと、どれだけ待っても
何も語りかけて来なかった
横山「始まりの場所ねぇ....」
俺は、小さく呟いて部屋を後にしたのだった
始まりの場所に進む為に
女を助ける方法がどんな危険でも
俺はそれを掴もうと決意したのだった