第19章 悲哀
何処かの部屋のガラスの割れる音だ
俺は嫌な予感がして、急いで走って部屋に入ると
窓ガラスが派手に割れていて
カーテンが風で揺れて
太陽の光が容赦なく部屋に入っていたのだ
横山「くっ…..」
俺は目の痛みと光が刺す
熱さで部屋の扉を急いで閉めた
大倉「横山君、彼女は?」
大倉は心配そうに俺に尋ねた
横山「分からん、部屋に光が入ってとるから….」
俺は悔しげに扉を力一杯に叩いた
大倉「そんな……」
大倉も悲しそうに俺を見つめた
女は兄が狙っていると言っていたのに
何故一人にさせたんだ
前も監禁されていたと話していたのに
今日は、もう襲われないと
勝手に安心していたのだ
俺の油断が今の結果になった
俺は悔しかった
大切なモノを守れない自分に不甲斐なさを感じていた
俺は大倉が止めるのも聞かずに
血がにじんでくるほど、扉を叩き続けていた
自分の胸の痛みを紛らわすように