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Dye D?〈番外編 横山〉

第16章 秩序



 女は切なそうに俺を見つめ続けていたが

俺は我慢が出来ずに、無理やり腕を引っ張り

強引に唇を重ねた

女は抵抗する事無く、俺と口づけを交わす

俺はゆっくりと唇を離した


横山「俺に惚れてるんか?」


俺は再度、聞いてみると


「...悔しいけどね」


小さく笑いながら女は言った

俺は、そのまま女を抱きしめた


横山「愛することが罪になるなんてな」


俺は笑ながら言った


「そうとも限らない、

それが全ての人の幸せになるかも知れない

でも、今 裕福な人にはそれが許せないだけ...」


女は、俺を見つめながら言う


横山「そうか...勝手なのは人間だけじゃないや」


俺は口の端を上げながら笑うと


「彼らの方が勝手かもね....」


そう言うと女は腕を見つめながら摩っていた



俺はその様子に

前に見た手首に付いていたアザを思い出した


横山「手首に何かされたんか?」


女は俯きながら


「しばらく来れなかった時、私は監禁されてたの...」


俺は、女を強く見つめる


横山「兄貴にか?」


「貴方に恋をしてる事を知ったみたいで...」


女は、俺の胸に顔を埋めきた

俺はそれに答えるように、女を抱きしめた



俺は抱きしめながら考えた


愛する事が罪であっても自分の気持ちを

止める事は出来ない

俺はどうすればいいか分からなかった



横山「俺を救うって話は、この恋の為か?」



俺は自分の考えを整理するために、聞いてみた


「本当に貴方の孤独を消したかったの....」


横山「孤独をね...」


俺は笑った


「貴方は、仲間の中心にいながら心は孤独を抱えていた

それは幼少期の事件のトラウマで」


横山「幼少期の?」


「貴方の記憶は消されたから、でも心では覚えてるから

だから貴方は闇に今でも苦しめられてる」


横山「ふはぁ、そうなんか」


俺が一人で苦しんでる自分を何故か思い出した

笑ってしまった


「私は、あの夜に会った時に、貴方の瞳に悲しみを見て

私は救いたいと強く願ったの....」


俺は女は強く抱きしめた


もし、罪になるのであっても

俺はこの愛を手放したくないと強く願った

俺の孤独が少し薄らいだ時だった

でも、俺は自ら危険に飛び込んだ瞬間でもあったのだ

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