第15章 亀裂
俺は驚きのあまりに声すらでずに立ち尽くしていた
俺が世界を平等にする鍵などあるはずがなかった
どうしてそうなったているのかを考えた
すると、すばるは笑いながら言った
渋谷「横が鍵って、ありえへんな?」
錦戸「まぁ、扉が開かんかったら無理やりでも
入る人やけどな」
亮も、上乗せして言いながら笑った
しかしマルは真剣な顔で女を見据えて言った
丸山「それは、横山君だけじゃなくって
貴女も関係してるんだよね」
その言葉にみんなが動揺する
大倉「それって二人でいる事が問題だって事?」
安田「それって、人の力が関係してるんちゃうん?」
ヤスの言葉に雛は驚いたように聞く
村上「なんで、力なんや?
まぁ、彼女も不思議な力あるけどやで?」
ヤスは自分で言ったのに
なぜか肩をすくめて笑っていた
横山「俺が鍵ってどういう事や?」
俺は口々に話す仲間を無視して、女に尋ねた
「それは......」
女は口ごもってしまった
丸山「それは、貴女が横山君を愛してるから?」
女は真っ赤な顔をしながらマルを睨みつけた
大倉「もしかして、貴方は....」
勘のいい大倉は女の正体に気が付いたようだ
丸山「貴女が吸血鬼を愛する事は
この世の今の秩序を乱す事なんだ....」
彼女はマルを見つめたまま何も言えずにいた
錦戸「どう言うことやねん、ちゃんと話せよ!」
亮は内容が分からずに
イライラし始めたようで怒鳴りだした
丸山「彼女は...」
横山「それ以上言うな!!!これは俺の問題や!!!」
マルの言葉を俺は一喝した
それに驚きマルは黙った
その瞬間に俺たちの間に嫌な空気が流れたのを
誰もが感じ始めたのだった