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Dye D?〈番外編 横山〉

第13章 時間





俺が女を抱きしめ

女は嬉しそうに微笑んだ時だった



丸山「これは失礼」


マルはドアを開けると、照れながら言った


俺は、そっと女から離れた



横山「大丈夫や」




丸山「テーブルクロスとカーテンを

選んで来たんだ」



マルは罰の悪そうに言うと

自分の手に抱えてる布をテーブルに広げた


「うわぁ、とても素敵

丸山さんてセンスあるのね」



女はテーブルの所に来ると嬉しそうに手に取った



俺は女の嬉しそうな顔を見てると

俺の凍ってる心が解けそうな気がしたのだ



丸山「横山君、嬉しそうだね」


マルは俺の様子を見て、微笑みながら言った



横山「これで狩りは行かんで良くなるからな」



丸山「そうじゃないでしょう?」



マルは、クスッと笑った


「ねぇ、これにしない?

ちょっと落ち着いた雰囲気がでると思うの」


俺たちに、女は選んだ布を見せた



丸山「そうだね、素敵だと思うよ」


マルは女と一緒に布を手に取った

その時だった扉が大きな音がして開いたのだ


俺たちが見ると、そこには息を切らしたヤスが立っていた


横山「ヤス?」


安田「助けてくれへん?」


丸山「どないしたん?」


俺とマルは心配してヤスの傍に足を進めた


安田「どなんしても、ベットのシーツが出来へんねん!」


横山「はぁ?」


俺は呆れて返事をすると

ヤスは涙目になりながら


安田「渋やんと二人でベットの

シーツの取り換えしてるんやけど

シワシワで、何度やっても無理でさぁ

そしたら、渋やんが怒りだしてさぁ」



丸山「それは大変だ」


マルも呆れながら答えた


「もう、二人には何回も教えたでしょう?」



安田「やってぇ.....」


ヤスは悲しそうな顔をした


「もう、また教えるから頑張って」


そう女は言うと、ヤスを引っ張って連れて行った


丸山「横山君、今度はベットメイキングだね」


マルはそう俺に笑って見せた

俺はその言葉に肩を動かして答えた



俺は、今 この時間が楽しかった

初めて永遠に続けばいいと願っていた

そんな願いは叶う事はないのに


愚かにも小さな幸せに酔っていたのだった












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