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Dye D?〈番外編 横山〉

第2章 女




今夜も俺は一人で、街に侵入して

古い文献を探していた



そして、人っ子一人居ない街に立っていると

今の俺の状況だと

急におかしくなって笑っていた



この身体になってからの

孤独は誰に言えるモノではなかった

誰もが敵で

俺らはみんなと違った生き物になった

俺らはいつも一人なんだ



俺の足は何故か教会の前で止まった

俺らの恐怖する場所で




俺は何を神に願いを掛けるつもりなのか....




俺は小さく笑っていた

全く違う生き物になった自分の手を

強く握りしめながら



その時だった扉が開き中から人が転がるように

飛び出してきた



俺の足元に転がって来たヤツを見ると

それは女だった


俺は冷たく女を見下ろしてると

女は俺の足に気が付き顔を上げた


俺は無言で女を見る


真っ黒な姿に女は臆することなく

俺に微笑むと


「こんな時間に人がいるなんて」



横山「お前もやろ?」



「ふふっ、そうだね」



女は小さく笑ったが

俺にはそれが寂しく映っていた



横山「こんな時間に女が一人おったら

襲ってくれって言ってるもんやろ?」



俺の言葉に女は知らん顔しながら

自分の服に付いた汚れを払っていた




「私を襲ったら、その胸の傷は消えないけど」



そう言うと女は

俺に背を向けて歩き始めたのだ


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