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Dye D?〈番外編 横山〉

第11章 理由(わけ)




 不思議な事に、屋敷から一歩出た途端に

俺以外の仲間は、女の正体を忘れていたのだ



安田「あんたの故郷がここやったなんてな」


ヤスは惚けて言った


大倉「そうとは知らずに、本当にすいませんでした」


大倉は軽く女に頭を下げた



どうやら、女は話を上手く捻じ曲げて作ったようだ


村上「おい、早く戻らんと朝日が昇るで」


雛は空を見ると、みんなを急かした


錦戸「ほんま、やべぇで」


亮はそう言うと一番に飛び立って行った


渋谷「では、御嬢さんは俺が運ぼうか?」


すばるはそう言うと、女の前に立った

しかし女はニッコリと微笑むと


「運んでもらう人は決めてるから」


そう言うと俺をチラッと見た


丸山「すばるくん、振られたね」


マルはそう言うと、すばるの肩を軽く叩き

飛び立った

すばるも少し顔をしかめるながら

マルに続いて飛びったって行った


村上「ヤス、俺らは御邪魔やから行くで」


安田「ちょ、えっ?」



雛は俺らを見ているヤスを引っ張りながら飛んで行った

残った大倉は、俺らに頭を下げると

みんなの後を追った


残った俺に微笑みながら女は言いた


「私を運んでくれるよね?」


横山「その隠してる羽根は飛ばれんのか?」


わざと嫌味ぽく言う


「ちょっと、なんとか話を隠したのに

また表にだすアホはいないでしょ?」


俺は小さく笑うと


「ほら、素直に運びなさいよ」


そう言うと女は俺の首に腕を回してきた


横山「はい、はい、仰せのままに」


俺は女を抱きかかえると、飛んだ



空は、少し明るくなっていた

女はそれを感じると俺に強く抱きついてきた


横山「どなんしたんや?」


俺は飛びながら女の顔をみた


「私の話しをこのまま聞いてくれる?」


女は囁く声で言った

たぶん、前を飛んでる仲間に聞かれないためだと思った


横山「ええで」


俺は無表情で答えたのだ

何が聞けるかに興味を持ちながら

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