第10章 狩り
扉の向こうで、俺らが見た光景は
俺らを待ち構えていた人間たちだった
手には十字架と杭を持っていた
部屋の薄暗いなかで、十字架が怪しく光っている
俺たちは一瞬動けずにいたが、
その光景を俺は捉えながら
このまま闘うか、それとも逃げるかの判断に迫られた
「やっと、みつけたよ吸血鬼ども....」
人間たちの一番奥に座ってる男が口を開いた
「今夜で、終わりだ、早くお祈りをすませろ」
男は言うと
俺に向けて拳銃の銃口を向けた
俺の目には見えた
向けられた銃口に銀の弾が込められているのだ
俺らの策は万全という訳だと
俺は判断した
錦戸「俺らが終わるわけないやろが!」
亮は怒りを露わにし
躊躇なく人間に牙を剥きだしにした
その姿に、奥の男以外の人間は怯みだした
手に持っていた十字架が震えだした
「みなさん、怖がる事はありませんよ
我々には神がついてますから」
男は、恐怖する人々に言って聞かせた
横山「俺らが勝つか、神が勝つかか....」
俺はボッソと顎を触りながら言い
俺は銃口に臆する事なく
指をパッチと鳴らした
それを合図に仲間が村人を襲い始めた
部屋中に悲鳴が響きわたり
噛まれた者が床に次々と倒れていく
仲間の口から赤い血が流れ滴っている
俺はこの光景を何度見たか
そして、これまで見るのだろうかと思った時だった
「ゲームオーバーやな」
男が、ヤスの後ろから銃口を頭に当てていた
俺は肩をすくめて呆れながら天井を見た
安田「ごめんちゃい」
ヤスはふざけたように笑って見せた
「笑ってられるのは、今だけや」
男は、口の端を上げながら笑ったのだ
これは本気だと誰の目から見ても
わかった