第10章 狩り
深夜になると俺たちは狩りに出掛けた
俺たちのルールは、七人で一人を食する事
何人もの村人を決して襲わない事
そして.....
俺たちの正体を人間に知られない事
今日の狩りの村は少し離れた村にした
やはり、すばるの言葉を気にしてたのかも知れない
俺たちは、言葉なく食す獲物を探していた
もちろんタイムリミットは朝日までだ
しかし、俺もすばる同様に
身体にベッタリと張り付くような嫌な
感覚を感じていたのだ
これを後から知ったが、死の予感というモノだった
知らない俺は狩りを続けていたのだ
しばらく村を物色していたが
亮が顎でみんなに合図をした
ある大きい屋敷に決めたようだ
俺たちは、いつものように音を立てずに屋敷に侵入した
上手そうな人間の匂いが
飢餓状態の俺たちを興奮させてくる
しかし、すばるだけが歩く速さが遅かった
何かを感じてるかのように
そして、屋敷の寝室に着いた時だった
すばるは開けようとした亮の手を掴み止めた
渋谷「アカン、今日の狩りはやっぱ中止や!」
錦戸「はぁ、何を言ってるんや?」
当然、亮は怒った
横山「俺も、すばるの意見に賛成や」
俺に張り付いてる予感が、すばる同様に
胸をざわつかせていたからだ
みんなが、俺とすばるを見つめる
すばる「アカン、ほんまに危険な臭いがする」
すばるは、亮を止めてる手に力を入れた
村上「ちょ、まてや! なら他の家にするか?」
雛が仲裁に入るが
亮の怒りは収まるはずがなかった
錦戸「今からやったら、朝になってまうやろ!」
村上「はぁ、どないしよか?」
雛が、困った顔で言った時だった
亮がすばるの手を強引に払うと
亮「何言ってるんや、部屋に入って
何もない事を証明したるわ!」
そう大声で言うと、ドアを開けたのだ