第9章 支配
俺が考え込んでる時だった
仲間の方で喧嘩が勃発していて
大声が聞こえてきたのだ
錦戸「なんやねん、そんな甘い事なんか
出来るわけないやろが!」
大倉「俺は、共存したんだよ、こんな身体になっても」
錦戸「ちゃんと考えろや!
人間と共存なんて無理やろが!」
雛は急いで二人の間に入る為に走って行った
みんなは亮を抑えるのに必死だった
亮は誰よりも自分の素直な心に向き合っている
未来じゃなく過去でなく誰でなく
亮は何よりも心が真っ直ぐなのだ
だから感情的になってしまう
俺そんな亮を離れた場所から見ていた
こんな時に女がいたらどうするだろと考えた
俺は急に照れ臭くなった
俺の心が支配されてる事を知って
小さく笑い
俺ゆっくりとため息を付くと静かに歩きだした
そしてエキサイトしてる仲間の近くの花瓶を掴むと
彼らにぶちまけた
一瞬で動きが止まる
そして自分の顔に水が流れるのを感じると
錦戸「な、何やねん! また水びたしか!」
一番に亮が喰ってかかってきた
横山「頭に血が上ってるみたいやったからな」
俺は冷たく言い放った
渋谷「ふはぁ、冷えたわ」
すばるは自分の濡れてる顔を拭きながら言った
俺は無言でみんなに背を向けて
部屋を出て行った