第8章 化けの皮
ゴンたちの所へ向かっている途中、こちらに誰かが来る気配を感じた。
これは、恐らくトンパだろう。
ゴンたちを置き去りにしてきたってところか……
「ちょっと待ってろ」
キルアも気付いたのだろう。
そして、キルアは、先に行った。
「…………」
話し声が聞こえてくる。
私は、トンパの怯え方を見ようと、キルアたちの様子をうかがうことにした。
やはり、トンパだった。
トンパは、額に汗を浮かべている。(精神的な意味で)
「お前……引っかけたな?」
キルアが核心を突いた。
キルアは、続けた。
「ふん…………いいこと教えてやるよ
薄汚い手を使った奴は、薄汚い死に方をするってな……
嘘じゃないぜ?」
トンパは、思わず後ずさった。
「…………なんなら、試してやろうか?
今、ここで」
殺気を送るキルア。
トンパは、もう背中に壁が当たっていて、逃げれない状況だ。
あ~あ……
一次試験から、血の臭いを嗅ぎたくはないんだけどな……
私は、はぁ……とため息をつき、仕方なく、出ていった。
「そこら辺でやめときなさいよ
私たちが手を汚す必要はないわ
……そんな奴、殺しても一文の得にもならないわよ」
つまりは、殺す価値もないってこと
「先、急ぐわよ」
そして、最後にキルアが送った殺気の何倍もの強烈な殺気を一瞬トンパに送り、先を急いだ。