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光と闇

第9章 樹木の事実



しばらく走ると、ゴンたちが見えてきた。


ゴンは、大丈夫だが、クラピカは、なにやら苦しんでいる。

それもそうだ。

この甘い臭いは、幻杉の樹液の臭い。

暗殺者がよく使うもので、相手のいちばん触れられたくない過去を見せ、精神を破壊する。


ま、私は、耐性があるから大丈夫だけど。


「大丈夫?」

私は、ゴンたちに駆け寄る。

「君たちは……」と驚いた顔をするゴン。

私たちが来たことに驚いているらしい。


私は、苦しんでいるクラピカの顔を覗き込む。


……!!


私は、思わず、目を見開く。



クラピカの瞳が紅く染まっていたのだ。


これは……クルタ族の持つ緋の瞳……


彼の民族衣装もどこか見覚えがあると思ったが、クルタ族だったのか……


ガッ!


突如、クラピカの頬に蹴りが入った。


キルアだ。


すると、我を取り戻したのか、クラピカが起き上がった。


そんな様子を見たキルアが事実を告げた。

トンパがこの樹木は、癒し杉なんて言ったが、そうでないこと

この樹木は、暗殺者がよく使うまどわし杉だということを。


その事実に二人は驚いている。


「じゃあ……トンパは…?」

私は、ハッキリと二人に告げた。


「そう、アンタたちをはめたのよ」

二人は、苦い表情をした。


「行かなきゃ」

ゴンが立ち上がった。


「あるぜ!

あのオッサンを助けて、先頭集団に一発逆転する方法が!」

と、キルアが笑みを浮かべた。


「また会えたね………


二人とも………名前…教えてくれる?」


私たちは、名乗った。

「俺は、キルア」


「私は、ちなみ」

すると、ゴンが呟くように私たちの名を呼んだ。

「キルア………

ちなみ………」


私たちは、頷く。

「ねぇ、どうすればいいの?」



ゴソゴソ

キルアは、ポケットの中をまさぐり、ある小さな物体をとりだした。


「あ!それ!」

このガキ………


いつの間に………

私は、キルアに軽く殺意を覚える。


キルアが取り出したのは、私が作った、超小型の爆弾だった。


私は、腰に付いてるポーチに入れていたのだ。

キルアがすったのだろう。

多分、トンパに殺気を送ったときだろう。


まぁ、気付かなかった私も私か……









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