第10章 結実
桃華「では、晩ご飯の乾杯の音頭は
恵土ちゃんにお願いします^^」
それに対し、一度場内は拍手に包まれた…
冬樹「恵土ちゃん!頑張って!」
恵土「こく^^」
それに頷きながら、マイクへ向き合った…
恵土「…私は、5年4か月…
ずっと、一人でい続けました…
それまで、血の繋がらない人からの温かさも
優しさも知らず、味わうこともなく…
毎日…
ただ一人、生きて来ました…
といっても
人としては生きているとは言えないかもしれません…(頭をかく)
生きがいを失い
ただ一人、さまよい続けていました…
まるで、意思を持たない
ただの屍のように…
それでも、生きてこれたのは…
両親の、生きて欲しいという願いがあったからに他ありません…
ですが…
熱中症で倒れていた私は、ドロロに出会って助けられ…
皆と、出会うことができた…
まあ、温度が低い所出身だから
熱中症になっても仕方ないんですがね^^;
…でも、そのおかげで…
とても、大切なものと出会うことができました…
それは…言葉に代えがたい
それほど、複雑で…
それでいながら、とても温かくて優しくて…
ずっと、傍に居たいと感じられるようなものばかりです…
おかげで私は…
今までの哀しみも辛さも痛みも苦しみも…
全部が、幸せに変わるんだって解った。
だから…
本当に、ありがとう!^^
まだまだ
知り合ってから、日が浅くって…
そう言っていいかわからないけどっ…;
最高の親友に!乾ぱぁーい!!^^」
『乾ぱぁーい!!!!^^』
その言葉に、目頭を熱くさせながら語り
満面の笑みで叫ぶ恵土に対し…
思わず皆もまた、涙目になりながら叫んでいた…
恵土「全員、大好きだぁーっ!!!^^」
その直後、涙を浮かべながら
ど真ん前にいた冬樹たちへと飛び付いた