第9章 温泉旅行
そんなこんなで
そのやり取りを聴きながら
ギロロ「夏美…//」
ドロロ「恵土殿…//」
二人そろって顔を赤らめながら
木の壁に耳を当てて、真っ赤になっていた…
恵土「ドロロ…
ドロロも、同じ星を見てるかな…(遠い目))
あ。そうだ。こんな時こそ…」
露天風呂に入りながら、遠い目をして星空を眺める中…
気持ちが伝わる道具を探り出し、触る恵土。
恵土(ドロロ…聞こえる?)
ドロロ「!
(恵土殿、どうしたでござるか?」←ずっと持ってたみたい
恵土「…
(ただ、話したいだけだよ…
大事な人だから、傍に居て欲しい…
他でもないドロロだから、届いて欲しい…
愛してるって想いとか、色々さ…」
ドロロ「//(恵土殿…//」
恵土(夢なら…
どうか、覚めないで欲しい…
ついこの前まで、五年も…
ずっと、一人きりだった…
ドロロたちと過ごした時が眩し過ぎて…
まるで、永遠の星のように感じる…
あの星々よりも眩しい、温かい…
そんな風に…)
ドロロ(…)
恵土(本当に…夢じゃないんだよね?…
本当に、これが現実なんだよね?…
時々、不安になるんだ…
また、林の中で目が覚めるんじゃないのかって…
小さい時、何度も夢見てきた日々だから…
父上も母上も…
その幸せを、笑ってみてくれているかな?
遠い空の遥か向こうで…
見守って、幸せでいてくれているかな?)
その直後、目が潤み…
涙が一粒、風呂へと零れ落ちていった…
ドロロ(夢ではないでござるよ。
間違いなく、現実でござる。
そして…
恵土殿の両親は
それを、心から喜んで笑っていてくれているでござるよ^^
心から、恵土殿の幸せを願うからこそ…)
恵土(そっか…;(じわっ)
そっか…;;(ぼろぼろ)
…よかった;;
…本当に、よかった;;)
そう応えるドロロに
恵土は、次々に溢れ出る感情と共に
左手で顔を覆いながら、涙をこぼしていた…
互いに背中合わせになりながらも…
姿は見えなくとも、通じ合う想いと共に…
長年の、思いと共に…