第8章 心の傷跡
やっと見つけた…
ありのままの自分を、全てぶつけたとしても
それごと、全てを受け入れようとしてくれる人…
それが…
とても嬉しく感じると同時に、幸せだと感じた…
恵土「じーん)…
ぽとっぽとっ…(涙が落ち、拳を握り締める)
あり、がとう;」
声が詰まりながらも
ぶつけることを望んでくれる
理解しようとしてくれる…
そんな人が、隣に居ることを…
とても心強く思うと同時に、今までの思いも…
全てが、報われた気がした…
どう思っても、どう感じても…
それを受け入れる人も、受け止める人もいない中では…
全てが、無意味に感じていた…
だからこそ…
とても、嬉しかった…
心苦しい思いもした…
それでも…
それごと、今まで見えていた世界が…
目の前の景色が、変わって見えた…
とても輝かしく、温かな…
優しい場所へと…
それを感じて、涙を流す中…
その思考を受け止めた皆もまた、涙が流れる…
心に負った傷跡は、未だに消えることはない…
それでも、寄り添い合える人がいるのなら…
理解しようとしてくれる人さえいるのなら…
解り合い、癒えることが出来る…
乗り越え、共に笑うことが出来る…
幸せを噛み締め、共に笑う…
それまでの道のりが…
険しければ、険しいほど…
そのありがたみが、よく解る……
必死に走り続けた道…
捨てて、置き去りにしてきた想いと過去の自分…
それでも、それごと愛してくれる人がいるのなら…
それごと受け入れてくれる人がいるのなら…
それ以上の応えはない
それ以上の報いはない
それ以上の、幸せはない…
そう感じるほど、それを理解するほど…
共にいたい…笑い合いたい…
もっともっと、色んなことを共にしたい…
その後、自分も同じだと
冬樹たちも、そう想っているということが明らかになった。
それに対し…
心から、笑えた…
理解者が、ここに居る…
掛け替えのない居場所が、ここに居ると…
強く、感じたからこそ…
そんな望みの中、その願いの中…
時はまた、流れていく…
数々の思いと共に…
遠い昔…
先祖たちもまた、そう想いながら生きてきたように…