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奇跡 【ケロロ軍曹】

第8章 心の傷跡




涙が零れ落ちていく中…


恵土「自分だけが…

自分だけが、いちゃいけない存在だから…


自分なんて、どうなってもいいやって…


それで助かる人がいるのなら、それでいいって…


バカだよな…

それで、その助けられた人が幸せになるわけでもないのに…;


後で、力を使って知ったんだ…


父上と母上が…

『自分たちは殺されていい。

その代わり、恵土(私)には手を出さないで』って…


自身から望んで、殺されていた…


それで護られるのかなんてのは…

生き続けなければ、解るはずもないのにっ…」


ドロロ(なるほど。

だから…私が両親を殺したと…)


恵土「どっちにしろ殺されかけるのなら…

死んでた方が、よっぽどよかった!!;;(涙)


あの時、一緒に殺されていれば…


そうしていれば…

あんな日々は、過ごさずに済んだ…


自分なんてものが無い方がいい。


自分の意思さえも、持ったらいけない…


持たない方がいい。それで苦しませるぐらいなら…


そうやって自分を否定し続けて、拒絶し続けて…

誰も助けてくれる人なんていなくって…


泣きたいのに泣けないし、怒りたいのに怒れないし
悲しいのに思ったらダメだし、暴れてもダメだし
ぶつけて苦しませたり悲しませるのはもっとやだし!!;





私がせいぜいできるのは…笑う事ぐらいだった…


幸せを願って、笑っていられるように想いを込めて…


それ以外、持とうとも思わなかった…


それさえあれば、十分だって言い聞かせて…


そうやって;…っ;

心におった傷の解決を、先延ばしにするしかできなかった;(涙)


苦しんで、苦しみ続けて…

自分でさえも、自分を苦しみ続けて…


こんな私には…

存在する資格もないんだって解ってた…


それでも…

護れるものがあるのなら…


護れる力があるのなら…

護らないとって…


それ以外、頭には残らなかった…


自然と笑えたのは、お前たちの笑顔があったから…


だから、感謝してるんだ…本当に」

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