第26章 境界線
暗闇の中、真っ暗な精神世界の中、声が響き渡る…
「あいつには、帰る場所がある。
だが、お前にはない」
恵土「何言ってやがる…
私には、皆という帰る場所がある!」
「だが、望んだものではないはずだ…
負担をかけることを好まないお前にはな…」
恵土「!…それでも、誰しも負担をかけずに生きることは」
目をそらしながらうつむく
「それに…お前は邪魔なんじゃないのか?
あいつには、パートナーがいたな…」
恵土「!(小雪…」
「その間に入るように、お前が存在している…
居づらいようにして、苦しませていると解っていたんじゃないのか…」
恵土「そんなつもりじゃ!
…まるで自分のことのように喜んでくれて…
!
あ…
私がいたせいで、時折一人暮らしさせることに…
あの一人(孤独)の苦しみを与えて、
自分だけ…?(目を見開く」
「最初から、居場所なんてなかった…
あの場所も、当時の想いも…
そのよりどころも、居場所自体が無かった…
独りよがりなものでしかなかったんだ……」
恵土「…(目を見開き、震える」
「最初から、居ない方がいい存在だった…」
恵土「邪魔に、なってる…邪魔をしている…?
あいつらが、笑って幸せでいられるための…(左手を見つめる」
「一度は取られた、その汚れているように見ている手。
しかし、その幸せのために何かを犠牲にしている…
身近なものの幸せと引き換えに、今は不幸を与えている…
お前のいう、大事な親友…仲間、全体に…」
恵土「…(がくっ(ひざまずく))
…ホントだ(震え)
……何で、自分は今まで(涙目&震え」
「そう…
お前は邪魔でしかないんだよ!」
頭を右手で掴んで、額に右膝打ちを繰り出す
恵土「ぐあっ」
「最初から死ぬことを、消えることを望まれてた!!」
ひざまずく恵土の、そのみぞおちに、右拳で蹴りを繰り出す
恵土「かはっ!」
「お前は、最初から誰にも望まれてなんかはいなかったんだ!!!」
ずばぁん!!(左肩から右腰まで斬られる)
恵土「…(目を見開いたまま、固まる」
がくっ(ひざまずき)
…ぽすっ(赤髪へ倒れ込む)
赤髪に抱きとめられる恵土…
赤髪による、それらの言葉は
恵土が、もともと抱いていた懸念だった…