第25章 飛龍の村
恵土「あれから…
私は、誓ったんだ…
この力は、護るために使うって…
今まで、必死になって身に付けてきた力は
そういった苦しみから護るために、闘うことを…
何が為に生き、何を想って過ごすか…
その道を決めたのが、2歳10ヶ月の時だった…
幼い、大事な親友の狼が死んで…
その死を無駄にさせないため、今へ生かし続けていく…
それもまた、一つの命が成り立つために
必要なことだったと、無駄じゃなかったと証明するために!(拳握る)
…だから今、私はここに居るんだ(涙」
小さき狼が未だ眠る場所へ手を置き、涙を流す
ドロロ「…いい話でござるな(ジーン」
涙を浮かべながら、しみじみ呟くドロロ
恵土「あはは^^;
なんかごめんな。急に過去の話をして」
涙をぬぐいながら言う恵土
それに対し
ドロロ「おかげで、また学べ申した。
ありがとうでござる(お辞儀」
逆に感謝されました
恵土「…ありがとう(微笑)
…ここでも、色んな経験があった…
父上と、修業をする時も使ったっけ…
小さな狼の埋まってない場所で」
ドロロ「なるほど…
ここは、掛け替えのない想い出の土地だったのでござるな」
恵土「うん…
だから…
あいつらが…村の人たちが勝手だって解ってる…
それでも…
それでも……
それまでに抱いてきた想いも…
必死に頑張り続けてきた
それまでの時にかけてきた努力も無駄にさせたくなくって…
何より、あいつらも動物たちも
それらの命を消したくなんてなくってさ…
結局、助けに行くって選択肢しか思い浮かばなかった^^;
ホント…バカみたいだよな;
両親殺されて、何度も殺されかけてきたのに…;(涙目」
ドロロ「それでも、良かったと思うでござるよ」
恵土「!!」
ドロロ「拙者には
その想いが、どれほど立派で貴いものなのか…
ひしひしと伝わり、本当によく解るでござる(頷く」
恵土「…そっか(微笑」
抱いていた思い
それごとひっくるめて、生かそうとしたもの…
それらを感じながら
二人は微笑み、再び空を見つめる…
何も言わぬ空…
それでも、祖先の時から続いている
想いを感じ取りながら、寄り添いながら微笑むのでした……
迫る敵に、気付くこともないまま…